ヨーロッパでは、映画ってのは基地外と編隊が寄り集まって作るものなんだ、と気付かせてくれた作品。
男の夢の一部ではあるんだが、あんな薄ら寒いモノになるほど、日本は文化成熟せずとも良いや、とも思う。
それほど焼きついて離れないシャシンではあるんだが…
「百万ドルの脚線美」ディートリッヒの出世作。彼女の歌声がいい。この映画で描かれている男は、いわば『痴人の愛』的マゾヒストなのでしょう。私はラートに共感をおぼえないし、ましてや同情もしませんが、ラートにとってはそれが幸せだったのかもしれない。
デカダン的雰囲気満載の映画ですが、なるほどさすがに「歴史は繰り返す」というもの、ローラとラートの関係は、チリ人妻某と日本人某の関係をも思い起こさせるほどに普遍的です。見沢知廉などは、むしろ「荒れた学級」とか「風紀の乱れ」とかに普遍的なテーマを見ていますが、とにかくあらゆる予見を孕んだ映画だという意味でも怖いです。
ラストで、真っ暗な教室にようやくたどり着いた後のラートの悲惨な姿と、相変わらず明るく華々しい舞台で歌いながら観客を魅了しているローラの姿、という対照的な構図が眼に焼きつきます。