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太陽は、ぼくの瞳 (1999)

ドラマ ファミリー
82.3pt 82.3pt
رنگ خدا

3.5 (1人)

目の見えない少年の心を詩情豊かに描いたイラン映画。モントリオール国際映画祭グランプリ受賞作だ。監督は『運動靴と赤い金魚』のマジッド・マジディ。
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レビュー
きくりんさん
2003/03/18 15:28
 これは評価が難しい作品でした。出演者はみんな自然な演技でとても素晴らしく、映像もとても美しいのですが、何を訴えたいのか今ひとつ不明瞭なのです。
 「盲目というハンディキャップを背負ったモハマドが逞しく成長していく物語」という感じでもなく、「悲劇を乗り越えて絆を深める家族愛を描く」という感じでもない。
 ただひたすらにモハマドとその家族に降りかかる悲劇を淡々と積み重ねただけのストーリーで、息苦しさを感じました。脚本の問題でしょうか・・・
 しかし、それを補って余りあるのが映像表現の素晴らしさ。夏休みになり、妹や祖母の待つ家へと向かう時は澄み切った青空、大工の元へ連れられて行く時はどんよりとした曇り空、孤独を感じて泣きじゃくった後は雷雨と、モハマドの心の内を空に写し出した手法は、感動してしまいました。
 『運動靴と赤い金魚』が素晴らしかっただけに過剰に期待しすぎたのかもしれませんが、もう少し丁寧に作り込んでくれたらもっといい作品になったのにと、ちょっと残念でした。