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太陽の少年 (1994)
ドラマ
ロマンス
87.8pt
87.8pt
阳光灿烂的日子
4.5
(1人)
製作総指揮、ウェン・チェン。文化大革命に揺れる北京を舞台に、少年のひと夏の恋を描く。主演は新人のシア・ユイ。本作でベネチア映画祭主演男優賞を受賞した。中国中央楽団による音楽も印象的。
キャスト
Ma Xiaojun
Xia Yu
Liu Yiku
Geng Le
Mi Lan
Ning Jing
Yu Beipei
Hong Tao
Mother
Siqin Gaowa
Mr. Hu
Feng Xiaogang
Adult Liu Yiku
Liu Xiaoning
Adult Ma Xiaojun
チアン・ウェン
Father
ワン・シュエチー
Small-time Conman
Shuo Wang
Yao Er-Ga
スタッフ
監督
チアン・ウェン
脚本
チアン・ウェン
原作
Shuo Wang
音楽
Wenjing Guo
レビュー投稿
ニックネーム
レビューコメント
採点
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レビュー
きくりんさん
2003/04/10 08:57
とにかく演出が素晴らしい。通常TVにしろ映画にしろ、必ず照明を用いて光量を確保しますが、この作品は照明をあまり多用していません。タイトルどおり「陽光」=自然の光を用いて撮影されています。ですから映像もとても自然で、まるで自分の目で見ているよう。この手法はエルマンノ・オルミ監督の『木靴の樹』等でも使われていますが、やはり映像が柔らかく、とても優しいものになりますね。
物語は大人になったシャオチュンが当時を回想するという設定です。ただ、感受性豊かな少年時代にはいろいろ想像したり幻想を抱いたりするもので、これが現実と重なりあい、過去の思い出が混沌としています。ですからストーリーも辻褄が合わないところがあったり、途中で修正したりします。まぁ、これも演出なんですけど。
印象的だったのは、忍び込んだミーランの部屋で望遠鏡を見つけ、のぞきながら部屋の中でぐるぐる回るシーン。レンズを通してシャオチュンは赤い水着を着たミーランの写真を見つけ、一目惚れします。ただ、レンズを通さずに見たミーランの部屋にはそんな写真は一枚も飾られていないのです。ミーランもシャオチュンにそんな写真はないと言っていますが、これもシャオチュンの幻想なのでしょうか?望遠鏡をのぞいて幻想を見るという話はまるで江戸川乱歩の『押絵と歩く男』のようです。プールの飛び込み台のシーンも格別。プールの色の白と空の青とのコントラストがとても美しい!また、劇中やエンドクレジットの際に何度か流れた歌(「遠飛的大雁」というチベットの歌だそうです)がなんとも不思議な感じで耳に残りました。