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『母との約束、250通の手紙』ロマン・ガリはフランスの光源氏?
2020年01月27日
溢れる才能に万人から愛されたフランスの“光源氏”!?
フランスで熱狂的に支持され続けるロマン・ガリの魅力とは?

本作は、外交官、映画監督、そして『勝手にしやがれ』の女優ジーン・セバーグの夫と複数の顔を持ち、最後は拳銃自殺を遂げたことでも知られる、フランスの三島由紀夫とも評される伝説の文豪ロマン・ガリによるベストセラー自伝小説『夜明けの約束』を、フランスを代表する女優シャルロット・ゲンズブールと俊英ピエール・ニネという豪華共演で映画化したもの。

フランスを理想化するユダヤ系ポーランド人移民の母親と、その母からフランス大使にして大作家になる将来を託された息子。強烈な個性の母親は過剰なまでの愛情を息子に注ぎ、一人息子は翻弄されつつも全力でそれに応え続けたー。母から届き続けた250通にも及ぶ手紙に秘められた秘密とは?第二次世界大戦下の混沌とした時代に翻弄されながらも、強すぎるほどの絆で、互いの存在だけを頼りに生き抜いた親子の愛に心揺さぶられる感動作。

本作の原作者ロマン・ガリは、フランス文学最高峰ゴンクール賞を史上唯一2度受賞した偉大な小説家で、外交官、映画監督、ジーン・セバーグの夫など様々な顔を持つ異能の人だった。日本ではあまり名前が知られていないが、フランスでは没後40年近く経った今なおその人気は衰えず、特にここ20年ほどは人気が再燃し、本屋では著書が平積みされるなど現在でも熱狂的に愛され続けている作家だ。ロシア系移民であるにも関わらず、14歳から移り住んだフランス語で本を出版したり、第1次世界大戦で学んだ英語で本を出したりと、語学にも長けていた。亡くなった後に判明したことだが、エミール・アジャールというペンネームでまったく違う作風の作品を発表したりと、その生き方は尋常ではなかったようだ。
そんなロマン・ガリは晩年に至るまで実によくモテたらしく、誰もが彼に魅了され、彼を嫌う人は誰もいない、まるで“光源氏”のような人物だったという。そんな超人的な人気の裏では、毎日必ず執筆を欠かさず、どんな日でも数ページは原稿を書き続けていた。本作の中でも、戦争中に戦地に赴き過酷な日々の合間に小説を執筆し続ける姿が描かれている。そんなロマン・ガリの活躍の原動力となっているのが、母親からの強い愛情と大きな期待だった。フランス大使にして大作家になる将来を託されたロマン・ガリは、その大きすぎる母親の期待に応える為必死に頑張り、ついには母親の夢を一つずつ実現していく様は圧巻で、感動的ですらある。破天荒な母親から、理想の男性になるための英才教育を受けて育ったのが、間違いなく影響しているだろう。そんな“天性のモテ男”とも言うべき人生を送ったロマン・ガリの脅威の人生を、是非スクリーンでご覧いただきたい。